マンション向けEV充電インフラの拡充へ - ユビ電、スパークス「未来創生3号ファンド」から出資獲得
EV充電サービス「WeCharge」を展開するユビ電株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山口典男、以下「ユビ電」)は、スパークス・アセット・マネジメント株式会社(以下「スパークス」)が運営する「未来創生3号ファンド」を引受先とする第三者割当増資により、新たな資金調達を完了しました。この資金は、マンション駐車場への「WeCharge」充電インフラの大幅な拡充と、革新的なサービス開発体制の強化に活用され、EV社会への移行を加速させます。

資金調達の背景 - カーボンニュートラルへの時代の要請
国は2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2035年までに乗用車の新車販売を電動車100%にする目標を掲げています。この目標達成のため、2023年10月に「充電インフラ整備促進に向けた指針」を発表し、2030年までに集合住宅などに最大20万口の充電設備設置を目指しています。さらに東京都では、より具体的な対策として2025年度から新築マンションへの充電設備設置が義務化され、2030年までに都内集合住宅にEV充電設備を6万口設置することを目標としています。これにより、EV充電に対応するマンションは今後急速に増加する見込みです。
令和2年国勢調査によると、日本の一般世帯の44.6%が集合住宅に居住しています。特に都市部では集合住宅の割合が高く、東京都が70.3%(23区は75.2%)と最も高く、次いで沖縄県(58.3%)、大阪府(57.1%)、神奈川県(56.6%)、福岡県(54.2%)となっています。政令指定都市別では、福岡市が78.4%と最も高く、大阪市(73.9%)、川崎市(73.1%)、名古屋市(65.4%)、札幌市(64.7%)、神戸市(63.1%)、横浜市(61.8%)、仙台市(60.6%)、千葉市(60.1%)と続いています。これらの都市では一般世帯の6割以上が集合住宅に居住しており、このことから都市部においては集合住宅での自宅充電環境の整備がEV普及の最大の鍵となります。
ユビ電は、2021年6月からEV充電サービス「WeCharge」を開始し、マンションでの自宅充電を中心にEVライフを推進しています。マンション管理組合やマンションデベロッパーへの導入実績も多数あり、マンションにおけるEV自宅充電の普及を通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
自宅充電の重要性 - 集合住宅特有の課題を解決
現状、戸建て住宅と集合住宅では居住者のEV所有率に大きな隔たりがあります。EVの普及という観点からみると、戸建て住宅にEV普及に有利な要因があることは明らかです。集合住宅でのEV充電には複数の障壁が存在します
- 電力容量の制約: 多くのマンションでは建物全体の受電容量に限りがあり、多数のEVを同時に充電するための電力確保が困難
- 共用部分の改修許可: 駐車場は共用部分であるため、充電設備設置には管理組合の承認が必要
- 導入・維持コストの負担: 従来の充電設備は導入コストが高く、また個別課金の仕組みも複雑
- 駐車場構造の制約: 地下駐車場や機械式駐車場など、設置工事が困難な場所も多数存在
こうした集合住宅特有の課題により、「自分専用の200Vコンセントから適時に充電する」という戸建て住宅で当たり前の自宅充電ライフスタイルを集合住宅では実現しにくい状況がEV普及の大きな障壁となっています。
全国で44.6%を占める集合住宅の居住者が、戸建て住宅居住者と同じように、普段クルマを停めている自分の駐車場で、自分専用のコンセントから何時でも自由に充電できる環境を安価に整えることこそが、EV充電インフラの拡充の本質です。これこそが今後のEV社会実現に向けて最も重要視されるべきポイントです。
調達資金の活用 - 革新的なEV充電インフラの拡大へ
今回の調達資金は、以下の取り組みに活用します:
- 「WeCharge」サービスの全国展開拡大: 集合住宅へのEV充電設備設置を積極的に推進し、より多くのマンション居住者が自宅充電できる環境を提供
- 次世代システム開発の強化: 独自のエネルギーマネジメントシステムに、特定計量への対応や、時間帯別料金設定、AIを活用した最適な充電制御などの革新的機能を開発し、ユーザーの利便性と経済性を向上
- 戦略的パートナーシップの拡大: マンション管理会社や電気工事パートナー会社、エネルギー事業者と業務提携を拡大し、マンションへの「WeCharge」導入を加速
スパークスの「未来創生3号ファンド」は、カーボンニュートラルの実現や電動化等、社会課題の解決を目指し、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業に投資を行っています。このたびの資金調達により、ユビ電は「快適なEV充電をすべての人に 電気の乗り物を もっと便利に もっと自由に」というミッションのもと、さらなる事業成長を実現します。
会社概要
会社名:ユビ電株式会社
代表者:代表取締役社長 山口 典男
設立年月日:2019年4月19日
本社所在地:東京都港区三田一丁目1番14号 Bizflex麻布十番4階
主要事業:電気自動車充電サービス「WeCharge」の管理・運営
コーポレートサイト: https://www.ubiden.com/
WeChargeサービスサイト:https://www.wecharge.com/
株主: SBIインベストメント株式会社、ENEOSイノベーションパートナーズ合同会社、オムロンベンチャーズ株式会社、オリックス株式会社、河村電器産業株式会社、スパークス・アセット・マネジメント株式会社、住友三井オートサービス株式会社、センコーグループホールディングス株式会社、ソフトバンク株式会社、 東急不動産ホールディングス株式会社、東京ガス株式会社、株式会社東陽テクニカ、パナソニック株式会社、富士電機株式会社、フソウホールディングス株式会社(50音順)
「未来創生ファンド」の概要
未来創生(1 号)ファンドはスパークスを運営者とし、トヨタ自動車株式会社、株式会社三井住友銀行を加えた 3社による総額約 135 億円の出資により、2015 年 11 月より運用を開始しました。最終的には、上記 3 社を加えた計20 社からの出資を受けました。「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」を中核技術と位置づけ、それらの分野の革新技術を持つ企業、またはプロジェクトを対象に米国、英国、イスラエル、シンガポール、日本の約 50社に投資しました。2018 年下半期には、既存投資領域 3 分野に加え、新たに「電動化」、「新素材」を投資対象とした未来創生 2 号ファンドの運用を開始しました。そして、2021 年 10 月から未来創生 2 号ファンドの 5 分野 に加えて、「カーボンニュートラル」を投資対象とし、スパークスの子会社であるスパークス・アセット・マネジメント株式会社をファンド運営者とした未来創生 3 号ファンドの運用を開始しました。2025 年 3 月末時点の運用資産残高は、1 号、2 号および 3 号をあわせて、1,052 億円となっています。
未来創生ファンドの投資実績:https://mirai.sparx.co.jp/investment/
